社会デザイン学会ニューズレター
◆ニューズレターVol.5 [2009年10月29日発行]
|第4回年次大会によせて|第4回年次大会開催のお知らせ|研究会の紹介|お知らせ|
第4回年次大会によせて
21世紀社会デザイン研究学会
理事 斉藤 哲男
(大会実行委員長・立教大学院教授)
21世紀の社会デザインをめざし、さまざまな知を統合すべく当学会が設立され4年目を迎えました。当学会は、コミュニティーデザイン分野、CSR(企業の社会的責任)分野、国際協力・平和構築・共生学分野、非営利活動分野、危機管理分野、都市防災分野、そして文化・芸術組織分野の7分野から構成されています。
昨年のリーマンブラザーズ・ショックから一年が経過しましたが、世界経済、とくに日本を含む先進諸国においての経済の低迷は深刻であり、まだ回復の兆しをみせておりません。上昇を続ける失業率、気候変動の進行や生態系破壊にみられる環境問題、感染症の拡大、食の安全の問題、地域社会における限界集落をはじめとする様々な問題など、これまでの経済成長を前提とした社会モデルがあちこちで破綻しているのが、21世紀のはじめの10年が終わろうとしている今日の現状であります。そして今、経済成長至上主義で突き進んできた世界は、GDP(国内総生産)という経済的な指標から、人間の基本的なしあわせを考える新しい価値指標を模索しはじめていると思われます。
本年12月5日〜6日の第4回年次大会では「しあわせを紡ぐ社会デザイン〜21世紀を生きる知とは」をテーマにし、激しく揺れ動く社会変化の中で“しあわせ”に注目し、不安の時代を超える“しあわせを紡ぐ社会デザインのあり方”について様々な立場・視点から検討を加える試みをしたいと考えております。会員の皆様の積極的なご参加を心よりお願い申し上げます。また大会2日目午前の自由論題のセッションでは、様々な分野で研究を続けている会員の研究成果報告がございます。是非多くの会員が駆けつけ、忌憚の無い意見の交換を通じて、社会デザイン研究のさらなる発展にも是非お力をお貸し戴きたいと思います。
それでは年次大会で会員の皆様とお会いできるのを楽しみにお待ち申し上げております。
第4回年次大会開催のお知らせ
大会テーマ:「しあわせを紡ぐ社会デザイン −21世紀を生きる力とは−」
さまざまな社会の中でこそ「しあわせ」に注目したい。しあわせを紡ぎだす社会デザインのあり方、そしてその紡ぎ手はどこにいるのか。不安の時代を超えた「しあわせの紡ぎ方」について一人ひとりが考えてみたい。
開催日:2009年12月5日(土)、6日(日)
会場:立教大学池袋キャンパス
■12月5日(土)
内容 | ||||||||||
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12:30〜 | 受付開始 | |||||||||
13:15〜 | 会長挨拶:北山 晴一(21世紀社会デザイン研究学会会長) | |||||||||
13:45〜14:25 | 基調講演:長谷川 宏 | |||||||||
14:25〜17:00 | パネルディスカッション | |||||||||
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17:00〜17:30 | 総会 | |||||||||
18:00〜 | 懇親会(会場:12号館地下1階 会議室) |
■12月6日(日)
内容 | ||||||||||||
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10:00〜12:30 | 自由論題発表 環境分野(会場:7302)/社会・文化分野(会場:7202) 危機管理分野(会場:7203)/つながり分野(会場:7301) 発表者:上記の分野より26名が発表予定 |
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14:00〜17:00 | 公開講演会 | |||||||||||
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大会参加費:一般会員(2,000円)学生・セカンドステージ受講生(2,000円)
会員外(3,000円)
懇親会費:3,000円
- 大会参加申込書は学会HPからダウンロードできます。申込書に必要事項を記入の上、第4回実行委員まで、メールかファックスで、お申し込みください。
メールでの受付先:conference@socialdesign-academy.org
ファックスの受付先:03-3985-2181
学会のHP:http://www.socialdesign-academy.org/
会員の皆様の周りで、上記テーマに興味・関心がある方に情報提供していただき、たくさんの方に参加いただけるよう、ご協力いただければ幸いです。また大会実行委員会では、大会ボランティアスタッフも募集しております。お手伝いいただける方は下記までご連絡下さい。
第4回年次大会実行員会
ファックス:03-3985-2181
メール:info@socialdesign-academy.org
研究会の紹介
21世紀社会デザイン研究学会では、研究会活動を支援しています。今までの4研究会に加え、2009年度からは新たに2つの研究会が活動を始めました。会員の皆様の研究の場として、ネットワークの形成の場として、研究会活動へ奮ってご参加下さい。関心のある方は、直接、それぞれの代表者と連絡をとって下さい。また、研究会を新しく立ち上げたいという方は、下記ページをご覧下さい。
ディープエコノミー研究会
代表者:佐野 淳也
(メールアドレス:sano-j@rikkyo.ac.jp)
「利己主義ではなく利他主義に基づき、生命の全体性を育むような深くて新しいボランタリーな経済活動の在り方を考察する」ことを目的に新たに結成した研究会です。
アメリカ主導のグローバル資本主義が音を立てて崩れつつある今、人間の貪欲さではなく、利他心に基づくような調和型の経済のありかたが世界で求められています。非営利活動やコミュニティ運動で見られるような社会的経済・連帯経済・互酬経済・ボランタリー経済などの様々なオルタナティブな経済活動の実践とその哲学について考察し、地球全体をひとつの生命と見て、そことの自己一体化をはかるディープエコロジーの哲学に沿った、「ディープエコノミー」の概念と可能性について社会に提案していくことをこの研究会では目指しています。
性悪説に基づいた格差や環境破壊を助長する経済ではなく、性善説に基づき人間の本質を引き出すような新しい経済の哲学と実践を、経済の専門家ではない、現場に近い生活者の立場から提案すること。現場の最新事例をもとにそこに込められているメッセージや先進精を整理・統合・分析し、市民の科学として昇華させていくことをこの研究会の意義としています。
具体的には、地域現場や市民活動の現場に現れている地域通貨やコミュニティカフェ、エコビレッジ的実践、農村の「結い」的空間の再創生、ソーシャルビジネスなどの活動事例を国内外に渡り文献やフィールドワークを通じて調査し、そこに現われつつある「深い」経済のありかたと可能性を浮かび上がらせ、それを報告書にまとめ発表する活動を計画しています。
また「幸せの経済学」として、ブータンが政策として取り入れるGNH(国民総幸福)の理念や哲学など研究し、それが日本においてどのように生活や政策のレベルで取りいれていくことが可能なのか、考察していきたいと思っています。
ご関心をお持ちの方、ぜひお気軽にご連絡ください!
教育政策研究会
代表者:橋本圭介
(メールアドレス:ucb39@yahoo.co.jp)
当研究会は、教育の意味とは何かを根本から見つめなおし、21世紀の市民社会に支持される教育のあり方と現実的な教育政策と解決策を模索する研究会です。メンバーは、学校図書館司書、専門学校教育、日本語学校教員、自動車会社関係、大学教員、NPO代表、地方公務員などなどと多彩です。21世紀社会デザインを考える上で教育の語ることはきわめて重要であります。現代の教育は様々な課題を抱えていますが、その根本には日本の教育制度やそれを支える社会システムが抱える共通の問題が見え隠れしていると考えられます。そのため、教育問題を論じていくと、同じ課題にいきつくはず。つまり、教育に関わる多様なステークホルダーが共通のプラットホーム上で忌憚のない議論をすることが現実的な教育政策や対応策を社会に提案していく道筋であり、それは各学問分野を横断する21世紀社会デザイン研究科にしかできない手法であります。是非、ご参加ください。
テーマとして:
- 人間教育としての教育本来のあり方の検証
- 社会を生きていくための教育のあり方の検証
- 教育に関わるステークホルダーのエンパワーメント
- 研究活動を通じた社会の活性化
月1回(定例会)集合し、毎回のテーマについて考えてきたことを議論し、結論を導き出します。
- 第1回 9月21日(日・祝)10:00〜12:00
- 人間教育としての教育本来のあり方の検証「教える」そして「育む」という人間教育としての教育本来のあり方を問い直すこと
- 第2回 10月15日(木)19:00〜21:00
- 社会を生きていくための教育のあり方の検証社会に対応する具体的な教育とは何かを考える場をつくる
- 第3回 11月下旬
- 教育に関わるステークホルダーのエンパワーメント新たな方向性を打ち出すことで旧来の教育制度に違和感をもちはじめた現場教職員をはじめとした関係者のエンパワーメント、周囲の理解を促す
- 第4回 12月下旬
- 研究活動を通じた社会の活性化研究調査内容方向により社会提言
- 第5回 1月下旬
- @〜Cの総括と報告書への準備 その1
- 第6回 2月下旬
- @〜Cの総括と報告書への準備 その2 次年度準備
ご連絡先: 橋本圭介(北組M2008) e-mail: ucb39@yahoo.co.jp
<お知らせ>
長有紀枝氏が、新しく、理事に就任されました。
2009年9月18日の常任理事・理事会において、長有紀枝氏(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)の理事への就任が承認されました。長先生の専門は、人間の安全保障、平和構築、国際人道法、ジェノサイド研究などです。著書に『スレブレニツァ あるジェノサイドをめぐる考察』(2009 東信堂)、『地雷問題ハンドブック』(1997 自由国民社)、共著に『国家建設における民軍関係 破綻国家再建の理論と実践をつなぐ』(2008 国際書院)、『人道危機と国際介入−平和回復の処方箋』(2003 有信堂)ほか多数の著作があります。
NLの電子化について
現在まで、21世紀社会デザイン研究学会ニュースとして、Vol.1からVol.4、大会特別号(近日刊行予定。2008年度の大会報告号)を創刊してきました。これまでに創刊されたNLは、学会のHP上でも公開しており、ご覧いただくことができます。今後は、印刷物としてではなく、電子媒体のみによる紙面作成を行っていくことが、2009年7月17日の常任理事・理事会で審議、承認されました。会員の皆様には、次号からのNL電子版について、HPにアップされましたら、メールでお知らせいたしますので、よろしくお願いします。
会費納入のお願い
学会の活動は、皆様からの年会費により支えられております。未納の方は、納入のほどよろしくお願いします。