研究会
社会デザイン学会では、研究会活動を支援しています。
現在活動しているのは、以下の研究会です。
◆美しく優しい社会づくりの研究会(代表者:佐藤 瑠美)
◆コミュニティ政策研究会(代表者:水谷 泉)
◆危機管理研究会
◆出産育児環境研究会(代表者:菊地 栄)
◆ジェンダー・セクシュアリティ研究会(代表者: 森田系太郎)
◆エンパワメント実践研究会(代表者:木村 真実)
◆社会デザイン理論研究会 (代表者:小関 孝子)
◆ファイナンシャル・インクルージョン研究会(代表者:田中 和夫)
◆ソーシャル・ガバナンス研究会 (代表:鈴木 健一)
◆モード・ファッション研究会 (代表:浅沼小優)
◆音楽と社会デザイン研究会 (代表:佐野 敦子)
◆結婚と家族・社会デザイン研究会 (代表:藤田 順子)
◆中東イスラム世界社会統合研究会(代表:八木正典)
研究会を立ち上げたい方は必ず研究会支援規定をお読み下さい。
申請書および年次報告書は下記からダウンロードできます。
Eメールに添付し( info@socialdesign-academy.org )までお送り下さい。
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- 研究会開催支援金申請書のダウンロード [ワード形式]
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- 研究会年次報告書のダウンロード [ワード形式]
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美しく優しい社会づくりの研究会
代表者:佐藤 瑠美
コロナ後の人と地域のための社会デザイン
近年の世界経済は低賃金で最大の労働力を得るべく国境を越えて外国で生産をし、また人間の仕事を可能な限り機械に置き換える方法で成長してきました。日本では働き方改革で「同一労働同一賃金」を掲げ、非正規労働者の人々の待遇の是正が一部図られつつも、新型コロナ感染症対策のため企業の経済活動の停止を余儀なくなれた際、労働者を解雇や採用を見送る方法で雇用の調整弁としてきています。雇用者に留まらず多様な地域社会の文化的特性である小規模商業店も廃業に追い込まれていきました。また米国を中心に人種間で経済的社会的な格差が顕著になり長年にわたる未解決な社会の差別の問題が噴出していることも看過できない社会の課題と考えられます。
以上の一例にあるように立場の違いから人々の分断は促進され、複雑な歴史的背景や経済の格差がもたらす人間の命とQOLに関わる課題に取り組む必要性は高まっています。
本研究会は〈美しさ〉を社会デザインの思想と展開に重要な概念として位置づけています。それは〈美しさ〉の概念を当研究会の研究対象として問うことを意味しています。その試みの1つとして、自治体独自で「美の基準」を設けている神奈川県真鶴町へフィールドワークを実践します。真鶴町のHPによると、昔から引き継がれてきた港町の生活風景に〈美しさ〉をみとめ、そこに価値をおく考え方に基づきまちづくり条例に「美の基準」が規定されています。数値による規定ではなく「定性的な基準」を設けている点が、これからの社会デザインに有益な示唆を与えると考えられ、フィールドワークの対象として考えています。
このような1つ1つの実践から〈美しさ〉と社会デザインについて関係的な考察をし、人々の安寧と多様な考え方を受け入れあう共生社会の醸成に貢献するべく、市民社会の倫理と実践を提起することが研究会の目的です。共生社会の醸成の倫理と実践が達成されることで、考え方と立場の違いから生じる社会的課題を乗り越え、新しい考え方に基づく地域社会の形成に貢献すると考えています。
研究会は、岩間初音(当研究会副会長・社会デザイン学会理事)、太田差惠子(NPO法人パオッコ理事長)、谷澤春美(スマイル・オリエンテッド株式会社)と佐藤瑠美の4名で構成しています。各メンバーの実践知と活動を研究会の場に循環させることで、「美しく優しい社会」をコンセプトとする、新しい価値に基づく地域社会の形成のための倫理と実践を追求することで、成熟された社会づくりに貢献したいと思います。
1〜2か月に1度、対面またはオンラインでの研究会を開催しています。年に数回、研究テーマに関わる識者および活動家らと講演の場をもち、広く人々に共有される議論の場をもつこと。そして活動の記録や得られた知見を公刊する等の活動をしています。活動内容は全て、佐藤瑠美のホームページおよびブログに記録しています。
(2020年7月までのブログはHPに掲載)ご関心がおありでしたら、是非ともご覧いただきお気軽にご連絡をいただけると幸いです。
佐藤瑠美HP:http://site-1615963-550-1723.mystrikingly.com/
blog: http://site-1615963-292-2237.mystrikingly.com/
◆コミュニティ政策研究会
代表者:水谷 泉
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科で学ぶ、自治体議員が少しずつ増えてきました。地域に軸足を置き、地域政策を提案していく自治体議員にとって、コミュニティデザインは、これから必要不可欠な考え方です。そこで、21世紀社会デザイン研究科の修了生や在校生の自治体議員や議員志望者が中心となって、「コミュニティ政策研究会」を5月1日に発足させました。
これからの自治体政策において欠かせない、NPO、NGO、市民活動、民間企業など多様な民間や市民セクターと行政セクターとの協働など、コミュニティ政策のあり方と手法について研究することが目的です。発起人の一人で顧問の中村陽一教授の名前をとって、別名「中村政経塾」ともいいます。2ヶ月に一度研究会を持ち、毎回2名の報告者の発表をもとに、議論を行っています。「コミュニティデザイン」の観点から、議論・研究した成果を、地域政策の実践に生かしていきたいと思います。
21世紀社会デザイン研究学会の研究会としても認められ、メンバーは学会発表に向けても奮起しているところです。現役の自治体議員が現在8人、元首長、議員志望者のほか、立教セカンドステージ大学に通う団塊世代市民や、議員インターンの学生など、約20名くらいに参加者の幅が広がってきているところです。これからの地域政策について勉強したいという方はぜひいらしてください。
◆危機管理研究会
日々報道される「事件」や「事故」、これらは、私たちの生活にとって決して他人事ではありません。危機管理研究会では、21世紀社会が抱える様々な危機を社会システムの視点から検証・分析し、その解決策を検討・提案することにより「安心」で「安全」な社会をデザインしていくことを目指して研究活動に取組んでいます。特に身近に起きる「事件」「事故」「災害」等について個人、企業、社会といった様々な立場からの危機管理のあり方を分析・検証し、現代の社会システムの不備や盲点を明らかにするとともに、その防止策として「セキュリティシステム面」「防犯知識・教育面」「制度面」「コミュニティデザイン面」等の多面的な視点からの提言を研究しています。参加メンバーの専門分野は、セキュリティシステム、情報セキュリティ、地域防犯、コミュニティデザイン等多岐にわたっています。現在は、月一回の定例研究会を中心に活動を展開しており、私たちの身近な危機管理に関する様々な情報発信にも取組んでいく予定です。
21世紀社会に生きる私たちにとって「危機管理」は極めて身近なテーマとなりつつあります。ぜひ、一度「危機管理研究会」に参加していただければと思います。
毎月第三水曜日の夕方6時30分から立教大学池袋キャンパスの4351教室で活動しています。
◆出産育児環境研究会
代表者:菊地 栄
少子化・消費化時代において、出産育児をめぐる環境はめくるめく変化している。妊娠・育児中の母親の生活環境の変化は、それを支える医療者や支援者にとっても、自らの臨床域以外については知ることが現実的に難しい状況になっている。出産育児環境の中にもネット情報があふれる中で、関係者はどのように出産育児環境を支援していけばいいのか。本研究会は出産育児に関わる支援者および研究者を会員として、当該社会の出産育児環境について情報交換をし、協働して研究を行う。
◆ジェンダー・セクシュアリティ研究会
代表者:森田系太郎
バックラッシュの時代を迎え、ジェンダー・セクシュアリティの問題系について再び語りにくい時代となった。しかし社会にはジェンダー・セクシュアリティの問題が山積みとなっている。本研究会は当該問題に取り組む大学院生・研究者・活動家をメンバーとし、ジェンダー・セクシュアリティをめぐる問題系について発表、情報交換等を行う。 メンバーは研究会で明らかにされたことを自らの研究・実践に生かすことができる。また、研究会の成果を学会等で発表し公にすることで学外に還元することも検討している。 実施計画については、年6回の研究会を行い、メンバーによる発表、ならびにゲストスピーカーの招聘を企画している。
◆エンパワメント実践研究会
代表者:木村 真実
「エンパワメント実践研究会」は参加メンバーそれぞれが主導者となり、社会的課題を具体的な事業として実践するためのプラットフォームです。
一つのプロジェクトにおけるグランドデザインを練り上げ、事業計画を立案し、実現の可能性を探るため、参加者が様々な専門分野でのスキル・ネットワーク等を駆使し関与していく。同時にその過程を随時記録し検証を積み重ねていく実験場とします。
また、私達は社会的弱者自らが所有する潜在的なパワーを誘導するための一助として事業を立ち上げますが、その過程でそれに関わる私たちの人間力をも鍛えられていくものであるという視点に立ちます。
最初のプロジェクトとして立ち上げているのが「ミンダナオ・ピースパール」プロジェクトです。フィリピン第二の島であるミンダナオ島の特産品である淡水パールを加工しジュエリー販売することでイスラム女性の自力支援を図ります。
まだ途上にある事業活動ですので目下試行錯誤しながら進めています。
月1回のペースで会議を開いております。
◆社会デザイン理論研究会
代表者:小関 孝子
社会デザイン理論研究会は、社会デザインという新しい学問分野を深化、確立するために、社会デザイン理論の構築を試みることを目的としてスタートいたしました。
読書会や討議、メンバーの研究発表を中心に、「社会デザインとは何か?」を共に考えるというのが活動の中心です。本研究会では、学問としての「社会デザイン学」を研究することに重点をおきますが、社会デザイン学の今後の可能性を限定することを避けるため、あえて、定義付けを目的とした研究はおこなっておりません。
学際的な領域を扱う「社会デザイン学」の学問体系を明らかにすることは、今後の社会デザイン学の学問としての発展にとって意義があるだけでなく、理論と実践を両輪とする社会デザイン学が実践の場においてその役割を果たすためにも大変重要であると考えております。特に、社会学など他の学問分野との違いを明確にすることにより、社会デザイン学のポジションの確立を目指し、独自性と可能性を学会内外に示していきます。研究成果は、論文や講演会の開催を通じて発表いたします。
◆ファイナンシャル・インクルージョン研究会
代表者:田中 和夫
貧困削減のツールとして、1970年初頭にバングラデシュやインドで始まったマイクロクレジットは、融資にとどまらないマイクロファイナンス(MF)の段階を経て、今や「ファイナンシャル・インクルージョン(Financial Inclusion:金融包摂)」という概念の下で、金融サービスへのアクセスを有していない世界のすべてのひとびとに必要な金融サービスを届けるため取り組みとして理論面でも実践面でも近年めざましい発展を遂げています。これらの動きをリードするCGAP(貧困層支援協議グループ)を中心に多数の英文刊行物が公開されていますが、日本語で紹介されていないため、この概念の日本社会への浸透は限定的です。そこで、文献紹介や翻訳等の活動を通じて、日本国内各層に金融包摂の重要性を啓発していくことを目的として、今年度(2015年4月)からファイナンシャル・インクルージョン研究会(略称:Fincl.sg )を立ち上げることといたしました。当研究会は、ファイナンシャル・インクルージョンやMFに関わってきた内部の専門家あるいは外部の協力者に厳選された出版物や文献の紹介等を依頼し、編集、監督にあたることで、質の高い成果物を研究会サイト(http://blog.canpan.info/finclsg/)などから発信し、日本国内におけるファイナンシャル・インクルージョンに関する研究・実践への一層の取り組みを促すきっかけを提供していきたいと考えています。この活動に関心のある方は、fincl2015@hotmail.comにご連絡願います。
◆ソーシャル・ガバナンス研究会
代表者:鈴木 健一
自律性と多様性を兼ね備えた個人と社会の実現に向け、これを「関係」の再創造と
それによる新たな共同性の創出という視点にもとづき、「公共社会学」的観点から
多面的に考察することを目的とします。これにより、「観客的社会(受動社会)」から
存在欲求を充足する「参加型社会(能動社会)」への転換を図っていくための新しい
社会統合の方向を追究したいと思います。
具体的には、NPO/NGOをはじめとする「ボランタリーセクター」の力量を高め、
市民社会の強化・充実を図ることにより、市民の<参加>と<自治>を促し、<多様性>
に即した「連帯民主主義」を実現していくための方途を様々な角度から検討します。
◆モード・ファッション研究会
代表者:浅沼小優
研究テーマ:
・ものづくりを支える消費文化の考察-----ファッションビジネスと消費文化
・モノづくりの復権は可能か-----産地の実情と課題
・日本発信型クリエーションをめざす-----若手デザイナーの育成と課題
研究の目的:モード・ファッションにおける問題とは何か。
人の身体と社会の間に存在する衣服は、身体を覆うと同時に、それによって社会との関係を創りだす。身体表象としてアイデンティティにかかわり、消費社会のシステムに組み込まれ「絶えず発せられ受け取られ再生される記号のコード」となった。
着ることの意味を問い直し、消費された身体性を取り戻すために何が可能かを、日常的なライフスタイルや消費行動調査、具体的な産地・産業界の活動調査・分析を行いつつ研究する。
◆音楽と社会デザイン研究会
代表者:佐野 敦子
本研究会は、月1回程度の演奏会を開催し、
その中で社会形成における音楽の可能性と、
現代社会における音楽の意義を実践的に追求することを目的としています。
そもそも音楽とはなぜ、生まれたのでしょうか。
人々が集う場で、手拍子や踊りがはじまり、音楽が奏でられたのではないでしょうか。
つまり、人々が一体となるために生まれたものではないでしょうか。
とすれば、音楽は多様な人々が互いに、音を媒介し「共鳴」し、
周囲を巻き込む力をもつはずです。
本研究会はその音楽の「共鳴」する力を問い続けることで、音楽と現代社会の関わりを、
これまでにない形のコンサートの実施を通して見つめ直していきます。
例えば、
演奏者と聴衆との双方向性を重視したサロンコンサート、
絵画、朗読、和楽器など「異種」とのコラボによる新たな芸術の発生
老若男女問わず訪れることもできる、地域の交流の牽引役となる試み
アマチュアとプロの垣根を超えた共同活動
その他にも、音楽の可能性はまだまだ無限大です。
私たちは、このような周囲と「共鳴」する音楽の活動を通して、
これまでの西洋音楽を基礎とした音楽論からの脱却・革新を試み、
現代社会の構成(デザイン)における芸術の役割を、再発見することをめざします。
◆結婚と家族・社会デザイン研究会
代表者:藤田 順子
研究目的
我が国は危機的な少子化問題に直面している。
日本は法律婚なため、子供を増やすにはまずは結婚から考えていかないとならない
本研究会は、少子化の主要な原因を追究し、少子化対策として実践に結び付けられるようにしたいと考える。
また現代社会にふさわしい結婚のイメージを構築するとともに、結婚、妊娠、出産、育児の在り方について検討し、質の高い結婚生活に向けた提言を行うことを目的とする
研究テーマ
@育児不安
A親子関係
B晩婚化・晩産化の原因
C夫婦のあり方
D海外の結婚と日本の結婚の比較
Eその他
ぜひご参加ください。
◆中東イスラム世界社会統合研究会
代表者:八木正典
研究目的
イラクのクルド人やスペイン・カタルーニャ地方住民の独立に向けての住民投票で如実に示された通り、 少数派住民の分離独立の動きに対する政権側の対応は、極めて厳しく妥協の気配はありません。
一方で、住民サイドでは抑圧に対する憤り、不満が高まり、それが地域の長期的不安定化を招いて、 結果として政権側、住民側双方が大きな代償を強いられる危険が高まっています。
当研究会は、世界の中でも、中東イスラム世界に焦点をあてて、多数派(支配者側)と 独特のアイデンティティを共有する少数派が尊厳を維持して共存出来る社会統合の制度の設計について、
現実の地域情勢を踏まえて、公開情報を分析することにより望ましい地域社会の在り方を模索し、 その成果物の発信を通じて内外の人々に対して積極的に提言していきたいと考えています。
様々な利害が衝突する現実の社会において、人々の共存のデザインは、日本国内だけでなく、 国際場裡においても益々重要になってきていると認識しています。
人権や正義や貧困や難民問題その他が複雑に絡み合い、国境を越えた課題になってきているからです。 社会デザイン学会員の研究会参加を歓迎します。 公式サイトは、http://meis.or.jp/ご関心のある方は、info@meis.or.jpにコンタクト願います。